頭痛コラム
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頭痛コラム
島根県出雲市の須佐クリニック副院長の須佐葉子です。
脳神経内科・頭痛外来を担当しています。
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「肩こり頭痛」という呼び名があります。
これは、肩こりが原因で起こる頭痛、という意味合いでよく使われていますが、
正式には「緊張型頭痛」といいます。
人前で緊張する、という心理的な意味ではなく、
頭や首、肩の筋肉が緊張する(つまり凝る)せいで起こるので、
緊張型頭痛という名前になっています。
頭痛外来をやっていてよく聞かれるのが、
「私は肩こりがひどいのですが、これは肩こりからくる頭痛でしょうか」
という質問です。
これは、イエスの場合も、ノーの場合もあります。
典型的な緊張型頭痛の場合は、イエスです。
肩こりや首こりなどの筋肉の緊張が、頭痛の原因です。
しかし、ノーの場合も多いのです。
片頭痛の場合、実は肩こりは頭痛の原因ではなく、
頭痛発作と一緒に起こってくる随伴症状であることがとても多いのです。
つまり、片頭痛のおまけとして、
肩こりが後からついてくる、ということです。
頭痛のたびに肩こりがひどい場合、
あたかも肩こりのせいで頭痛が起こっているように見えているけれど、
実はちがうという方が沢山いらっしゃいます。
片頭痛と緊張型頭痛では、原因が違えば症状も違い、
頭痛の種類としても違うわけですから、当然ですが治療も違ってきます。
片頭痛の予防療法をすることで、頭痛の回数が減り、
結果として随伴症状である肩こりも減ってきます。
自分の頭痛はただの肩こり頭痛だろう、と自己診断する前に、
ぜひ一度ご相談ください。