頭痛コラム
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頭痛コラム
島根県出雲市の須佐クリニック副院長の須佐葉子です。
脳神経内科・頭痛外来を担当しています。
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ネットで「頭痛」「食べ物」と調べてみると。
頭痛を起こしやすい食べ物リストや、頭痛予防のための食べ物リストが色々と出てきます。
片頭痛を起こす有名なものとしては、以下がリストの定番です。
<片頭痛を起こしやすい食べ物>
アルコール(特に赤ワイン)
チーズ(特に熟成チーズ)
チョコレート、ココア
柑橘類
ナッツ
肉や魚製品(特に燻製にしたもの)
ハム、サラミ、ソーセージ
グルタミン酸を含む食品(中華料理)
これら以外にも、たくさんの食べ物が挙げられています。
しかしネットを見ていくと、同じ食べ物が、頭痛を起こす方にも予防する方にも出ていたりします。
同じものを食べても、ある人にとっては誘発要因になり、違う人には予防的になるということがあるのですね。
つまり、個人差がとても大きいのです。
ですから、頭痛になりたくないからといって、リストにある食べ物を全て避ける必要はありません。
大事なのは、「どの食べ物が自分の頭痛のきっかけになっているか」をきちんと把握することです。
そのためには、頭痛ダイアリーで自分の頭痛の観察日記をつけることが有効です。
大抵は、食べ物一つだけでは頭痛は起きません。
いくつかの要因が重なって、そこに食べ物がダメ押しする、というケースが多いです。
例えば、天気の悪い日に、寝不足のところに、アルコールを少し飲んでしまったらひどい頭痛になった、といった具合です。
なので、必要以上に食べ物ばかりを気にする必要はありません。
好きなチョコレートを食べることや、美味しいワインやお酒をたしなむことは、人生を彩る楽しみの一つでもあります。
食べてはいけないものを気にしすぎると、かえってそれがストレスになることも。
やみくもに食べるのを避けるのではなく、ほかの誘因と重ならないような工夫をすることで、頭痛を避けることができます。
それと、もう一つ大切なことは。
食事を抜かないこと。
何かを食べたせいで頭痛が起こるケースよりも、
何も食べないで(空腹で)頭痛が起こるほうが、実は圧倒的に多いのです。
この話は、また次に詳しくしましょう。